日本チェーンストア協会では、“ゆとりと豊かさを損なうことなく、地球環境への負荷を低減する”という困難な課題の解決に向けて、さまざまな環境保全活動に積極的に取り組んでいます。もっともお客様に身近で、衣食住のあらゆる商品やサービスを提供している産業として、お客様や地域社会、行政と協力しながら活動の輪をさらに広げていきたいと考えています。ここでは、協会の主な取り組みをご紹介します。
日本チェーンストア協会では、平成9年(1997年)1月に「チェーンストア業界の環境保全自主的行動計画」を定め、協会と会員企業が一体となって環境問題により積極的に取り組むこととしました。この計画では、3つの基本原則のもとに、「地球温暖化の防止」と「循環型社会の構築」という2つの行動の柱を立てて、各企業各店舗において可能なものから取り組むこととしています。
地球温暖化をもたらす温室効果ガスのうち、二酸化炭素(CO2)は世界中で年間約320億t、日本だけでも年間約14億tが排出されていると試算されています。協会では、CO2等の温室効果ガスの排出を抑制するためには、会員企業における電力などのエネルギー消費を削減することが効果的であると考え、「エネルギー消費原単位での改善」を地球温暖化防止のための目標として掲げて取り組んでいます。特に、平成27年(2015年)7月には、「チェーンストア業界における2020年度以降の『低炭素社会実行計画』」を策定してさらに実効ある取り組みを推進することとしています。地球温暖化防止に関する代表的な取り組みについてご紹介します。
日本チェーンストア協会の温室効果ガス排出抑制のための目標
=エネルギー消費原単位において、平成32年度(2020年度)に基準年度比24%削減すること
(基準年度=平成8年度(1996年度)0.118kwh/m2・hに対して、平成32年度(2020年度)に0.0897 kwh/m2・hを達成すること、
エネルギー消費原単位は電力使用量kwh÷(延床面積m2×営業時間hで算出))
協会の目標の達成に向けて、会員企業では、可能な範囲で次のような取り組みを進めています。
政府では、産業界ごとに定められた削減計画の着実な実施などを促すため、経済産業省産業構造審議会・産業技術環境分科会「地球環境小委員会流通・サービスWG」において各産業界の取り組み状況などをフォローアップすることとしており、協会からも定期的に取り組み状況を報告し、その着実な成果が評価されています。 平成26年12月22日「平成26年度第1回会議」への報告資料はこちら
レジ袋はその便利さから広く普及し、現在もたくさん利用されています。協会では早くからレジ袋削減運動に取り組んできましたが、平成7年(1995年)以降、お客様と会員企業が一体となった“レジ袋削減キャンペーン”を数次にわたって実施しました。特に平成19年(2007年)3月には、『マイバッグでお買い物~レジ袋一緒に減らしましょう!』キャンペーンを展開し、お客様のご協力のお陰で「2010年度までに会員企業平均のレジ袋辞退率30%達成をめざす」との目標を達成することができました。会員企業においては、今後も以下のような取り組みを通じて、レジ袋辞退のライフスタイルの定着や低炭素社会の実現などに努めていきます。
協会では、むだな包装を排除してごみとなる容器などを減量するため、容器包装の簡素化・減量化に係る要綱を昭和47年(1972年)5月に定め、自主的に包装の改善を進めてきました。特にプラスチックトレイについてはできる限り使用しないことを基本として、鮮度や品質保持等の問題から使用がやむを得ないものを具体的に例示するなどして、トレイの削減に努力してきました。このほか会員企業では、野菜や果物のばら売りの推進、リサイクル商品や詰替え商品の積極的な展開、メーカーと協働して、軽く薄い容器の開発や使用促進などにも取り組んでいます。
会員企業は、容器包装リサイクル法に基づく再商品化の役割について責任をもって履行しているほか、各店舗においても、使用された容器包装を回収してリサイクルの積極的な推進に取り組んでいます。回収された各種の容器包装は、駐車場の車輪止めやベンチなどに生まれ変わり再利用されています。
食品廃棄物の発生抑制と資源としての有効利用も大切な課題となっており、会員企業では、食品リサイクル法に基づき、各店舗で発生した野菜の切れはしや魚のあら(はらわたや骨等)、揚げ物に使用した後の廃油などを回収して、肥料や飼料として再生利用しています。これらの肥料や飼料は野菜や果物の生産、家畜の蓄養等のために役立てられています。会員企業の店舗においては、
などの方法によって、実施率の向上に取り組んでいます。